日産自動車は、3列シートのミニバン「セレナ」を6年ぶりに全面改良して2016年8月に発売した(図1)。販売目標台数は月間8000台と強気の設定。最大の特徴は高速道路の単一車線上の運転を支援する機能「プロパイロット」の初採用だが、他にも子育て世代の女性が望む機能を多く盛り込んだ。

図1 6年ぶりに全面改良した日産「セレナ」
図1 6年ぶりに全面改良した日産「セレナ」
国内市場における主力車種で、価格は231万6600~318万7080円。車両寸法は全長4690×全幅1695×全高1865mmで、ホイールベースは2860mm。先代に比べて全長を5mm長くしたものの、5ナンバーサイズに収めた。カスタムグレードの「セレナ ハイウェイスター」は全幅が1740mmと広い。
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 5代目となる新型セレナは、先代と同じ3列シートの7~8人乗りである。ターゲットとする顧客層は家族で、使い勝手の向上を中心に改良した。開発を主導した日産日本商品企画部リージョナルプロダクトマネージャーの遠藤智実氏によれば、子育て世代では「父と母の両者が満足できるクルマを購入する傾向が強くなっている」という。

 目玉のプロパイロットは、遠出や帰省などの長距離ドライブを任される父にはありがたい機能だ。高速道路での渋滞走行など低速域でも、アクセル・ステアリング・ブレーキを自動操作して運転できる(詳細は解説記事を参照)。同機能の実用化は日本メーカーでは初めてである。

 母を強く意識した機能も多い。日産は「家族のハブ(中心)は父から母へ移っている」(遠藤氏)と分析し、子供を持つ女性が日常で使う際に利便性を感じやすい要素を積極的に採用した。