新型SUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)「XC90 T8 Twin Engine AWD Inscription」(以下、XC90 T8)は、スウェーデンVolvo社が日本に初めて導入したプラグインハイブリッド車(PHEV)である(図1)。PHEVでありながら、同社で最高レベルのガソリンエンジンを搭載。単なる環境先進車にとどまらないフラッグシップ車という位置付けだ。
「今後は、6気筒以上は造らない」。そんなVolvo社において、現在、性能面でガソリンエンジンの頂点に立つのが、排気量2.0Lのスーパーチャージャー付き直列4気筒直噴ターボガソリンエンジン「T6」だ。最高出力は235kW/5700rpm、最大トルクは400N・m/2200~5400rpm。そのエンジンに、CISG(Crank-mounted Integrated Starter Generator、ドイツZF社製)とリアモーター(同Siemens社製)といった2種類のモーターを組み合わせたのが、XC90 T8である(図2)。
搭載する電池は、9.2kWhのリチウム(Li)イオン電池(韓国LG Chem社製)。モーターだけで最大35.4km(JC08モード)の走行が可能という。燃費は15.3km/L(同)。全長4950×全幅1960×全高1775mm、ホイールベース2985mmの3列7人乗りのSUVである。ガソリンエンジンモデルの「XC90T6」と比べて荷室容量を52L減に抑えている点も特徴。XC90 T8の同容量は262Lだが、3列目シートをたたみ込むと640Lという。