ドイツBMW社は2016年3月に、小型オープンカーの新型「ミニコンバーチブル」を日本で発売した(図1)。フロントピラーに900MPa級以上の高張力鋼板を使用して横転時の安全性を向上させた他、走行時の車両後方の視認性を高めるため、後席の乗員を守る仕組みを改良した。単眼カメラを使った予防安全システムも搭載した。

図1 小型オープンカーの新型「ミニコンバーチブル」
図1 小型オープンカーの新型「ミニコンバーチブル」
7年ぶりに全面改良した新型はBセグメントに属する車両で、「ミニ3ドア」をベースに開発した。
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 7年ぶりに全面改良した3代目の新型は、Bセグメントに属する4人乗りのFF(前部エンジン・前輪駆動)車。2014年に発売した「ミニ3ドア」をベースに開発した。初代(2004年発売)は約16万4000台、2代目(2009年発売)は16万5000台以上を世界で販売した。他車種に比べて販売台数は多くない。しかし同社は新型を、ミニブランドを象徴するクルマと位置付けている。

 オープンカーは幌を開けた状態で走行することが多い。センターピラーがないため、横転時などの安全性を確保する必要がある。そこで新型では前席の乗員を守るため、フロントピラーの強度を高めた。先代では引っ張り強さが900MPa以下の高張力鋼板を使っていたが、新型では900MPa級超の高強度材に変更した(図2)。

図2 前席の乗員を守るフロントピラー
図2 前席の乗員を守るフロントピラー
先代では900MPa級以下の高張力鋼板だったが、新型は900MPa級超の高強度材を使用した。
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