燃費不正を乗り越える3年間に

三菱自動車CEOの益子修氏
三菱自動車CEOの益子修氏

 「単に(業績が)回復すればよいわけではない。しっかりとした土台の上で成長しないといけない」。三菱自動車は2017年10月18日、2019年度までの中期経営計画(3カ年)を発表した。同社CEO(最高経営責任者)の益子修氏が会見し、持続的な成長に向けた基盤作りに注力する方針を示した。

 2016年4月に燃費不正が発覚し、三菱自動車は会社存続の危機に陥った。そんな中で策定した2017年度から2019年度の中期経営計画。益子氏は、「この3年間は将来への種まき」と位置付ける。「V字回復に向けた軌道に乗せることが大切」(同氏)と強調した。

 販売台数や売上高の目標値以上に重要なのが、3年間の合計で6000億円以上を投資する計画を固めた研究開発費や設備投資だ。特に注力するのが、電動化とSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)で、三菱自動車の強みを伸ばす。

 2020年以降、三菱自動車は2車種の電気自動車(EV)を投入する計画である。「軽自動車と小型SUVになる」(同氏)という。プラグインハイブリッド車(PHEV)に関しては、「アウトランダーPHEV」を全面改良する。6000億円の投資を遂行して2020年以降につなげられるか。