PSAのノウハウでOpel社を再生させる

グループPSA会長のCarlos Tavares氏(左)
グループPSA会長のCarlos Tavares氏(左)

 フランス・グループPSAが、米GM社の欧州子会社であるドイツOpel社を買収すると発表した。買収対象はOpel社の英国ブランド「Vauxhall」を含み、総額は22億ユーロ(1ユーロ=120円換算で2640億円)に上る。2017年3月6日に開いた記者会見でグループPSA会長のCarlos Tavares氏は、「PSAのノウハウでOpel社を再生させる」と宣言した。

 その翌日、同氏はOpel社が「ジュネーブモーターショー2017」で開いた発表会に現れた。Opel社CEO(最高経営責任者)のKarl-Thomas Neumann氏と笑顔で言葉を交わした(写真右)。その後、記者からの質問に応え、こう繰り返した。「重要なのはProfitability(採算性)だ」─。

 グループPSAは2012年に経営難に陥り、2014年まで3年連続で赤字に転落。人員削減や工場閉鎖、車両開発の効率化などを進め、経営の立て直しを図ってきた。2017年2月に開いた決算記者会見では、Tavares氏が「健全な財務状態に戻った」と語れるまでに回復していた。

 グループPSAは、Opel社の営業利益率として2020年に2%、2026年に6%に達することを目指す。Tavares氏の手腕が再び試される。