EVの普及にはまだまだ時間がかかる

トヨタ自動車会長の内山田竹志氏
トヨタ自動車会長の内山田竹志氏

 トヨタ自動車はやはり、電気自動車(EV)の取り組みには慎重のようだ。同社会長の内山田竹志氏が2017年2月15日、プラグインハイブリッド車(PHEV)の新型「プリウスPHV」の発表会に登壇。EVに関して「世界中で様々なお客様に自由に選んでもらえるようになるには、まだまだ時間がかかる」との見方を示した。

 トヨタはEVの戦略立案や開発を担当する「EV事業企画室」を2016年12月1日付で立ち上げた。同社社長の豊田章男氏の直轄組織として、社内ベンチャーに当たる。エコカー戦略の大転換だ̶。EV事業企画室の設立は自動車業界を驚かせた。

 だが、今回の内山田氏の発言を聞いた限り、環境対応車への基本方針に変更はなさそうだ。「住む地域の環境や車の使い方によって様々なニーズや期待がある。それらに対して、しっかり答えていく」と内山田氏が述べるように、“全方位外交”を続ける。

 トヨタが究極のエコカーと表現する燃料電池車(FCV)も、「水素供給インフラの整備など解決すべき課題を抱える」(内山田氏)状況で、普及には時間がかかる。その中で、当面のエコカーの主流として、「トヨタが出した答え」(同氏)が、PHEVというわけだ。