スズキとVW、ようやく和解へ

スズキ会長の鈴木修氏
スズキ会長の鈴木修氏
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 スズキとドイツVolkswagen(VW)社の和解がようやく成立した。VW社が資本提携解消に関する損害賠償請求を取り下げ、スズキが和解金を支払う。2016年2月にスズキが発表した。

 両社は2009年に資本・業務提携を締結した。しかし会社の支配権や技術供与などを巡って意見の相違が表面化し、2011年9月にスズキがVW社に提携解消を申し入れた。国際仲裁裁判所を通じて係争し、2015年8月に包括提携の解消が認められていた。

 その後、VW社が主張するスズキの契約違反に対する損害についての審議が続いていた。今回の和解により、4年以上の長い時間を要した仲裁が終結することになる。和解金の額は非開示だが、2016年3月末までにスズキがVW社に支払う。

 「自立して生きていくことを前提に考える」――。提携解消が決着した際に同社会長の鈴木修氏はこう語った。スズキの次の一手に注目が集まる。

 2016年1月27日に一部のメディアでトヨタ自動車との提携交渉が報じられたが、スズキは同日のうちに否定した。2016年2月の決算発表会でも「商品力や技術力、販売力の強化に今後も単独で取り組み当社の強みを出していく」(同社)としたが、真相は不明だ。