2021年にEV事業を黒字化する

GM社CEOのMary Barra氏
GM社CEOのMary Barra氏

 米GM社は、2021年に電気自動車(EV)の事業を黒字化させると発表した。2018年1月に米国で開いた投資家向け説明会で、同社CEO(最高経営責任者)のMary Barra氏が宣言した。

 EV事業を黒字化する上でカギを握るのが、搭載するリチウムイオン電池のコスト低減だ。GM社は現在、韓国LG Chem社の電池を使うEV「Bolt」(容量60kWh)を量産している。電池のコストは1kWhあたり145ドル(1ドル=110円換算で約1万6000円)で、EV1台で100万円近い。2021年までにコストを30%低減する。生産量を増やすとともに、電池材料も改良する。

 GM社は、2023年までに20車種のEVを発売する計画だ。まず、2019年までに2車種を投入する。複数のEVに共通の電池を搭載して生産量を増やす。材料では、高価なコバルト(Co)の使用量を減らし、代わりにニッケル(Ni)を増やす。Niはコスト低減だけでなく高エネルギー密度化にも効く。

 こうした計画を着実に実行しなければ、EVの黒字化は絵に描いた餅となる。EVメーカーの“大手”となった米Tesla社は普及価格帯のEV「Model 3」の量産に手間取っており、赤字が膨らんでいる。GM社は老舗の実行力を見せつけられるか。