自動運転車のような新しいクルマに向けた部品開発が加速している。世界中の自動車メーカーと付き合うためにグローバル化への対応も必須だ。浮かび上がってきたのは、深刻な人材不足である。足りない人材と今後の方策を、アンケート調査の結果から考える。

 「人ですか、足りていませんよ」──。今回、部品メーカーの幹部20人以上にインタビューしたが、皆、異口同音に人材不足を訴えた。「不足している人材」の種類は、「グローバル化に対応できる人材」「機械系技術者」「電気系技術者」の順だった(図1)。

図1 足りないのは「グローバル」「機械」「電気」
図1 足りないのは「グローバル」「機械」「電気」
不足している人材の種類を聞いた。グローバル化に対応できる人材を望む声が最も大きかった。
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 意外だったのが、55.6%の企業が機械系技術者を挙げた点だ。アンケートの回答企業の6割以上が機械系の部品を生業とする。自動車の中核として長く君臨している機械系部品。この分野ですらも人材が足りていないという。

 なぜなのか。そこで、機械系技術者が足りないと答えた部品メーカーの属性を調べた(図2)。注目したいのが、電装・照明・電子制御部品/モジュールを扱う電子系部品メーカーでも、55.0%が機械系技術者を欲していること。

図2 電子系の部品メーカーでも機械系技術者が足りない
図2 電子系の部品メーカーでも機械系技術者が足りない
主要部品の種類で部品メーカーを分類し、機械系技術者が不足しているかを調べた。エンジンや懸架、車体などの“本命”だけでなく、意外にも電子部品メーカーでも機械系技術者の需要が高いことが分かった。
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