インダストリー4.0をはじめとするスマート化や、ハードウエア単体からソフトウエア、サービスを一体的に提供し顧客の要求に応えるサービス化の加速など、製造業を取り巻く環境が大きく変化しつつある。こうした状況下では、研究開発体制や工場の在り方、さらには新時代を担う人材育成に至るまで、従来の常識は通用しない。これまで当たり前とされてきたことが時代遅れとなる可能性すらある。本特集では、2016年の製造業を占う5大テーマについて、対立する2つの有力な実現手段を徹底比較した。各社が進むべき道を探るヒントにしていただきたい。
製造業 2016年の選択
目次
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航空機・自動車への本格搭載狙うMg、量産性の飛躍的向上なるかCFRP
「より軽く」──。これは、部品・製品を開発する多くの技術者にとっての永遠の課題といえる。家電製品やカメラ、パソコンなどはもちろん、クルマや列車、航空機などの輸送用製品ではエネルギー効率や環境保護の観点から軽量化に対する要求は年々強まっている。そこで2016年以降に活用の幅が広がる材料として、注目され…日経ものづくり
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次世代工場は協働ロボットに支持、70%が「マス・カスタマイズが進展」
調査テーマ「2016年の製造業」
グローバル化やコスト競争の進展に加え、IoTやインダストリー4.0といった潮流への対応が進む製造業。今回の調査では、第1部のRound1~5で取り上げた、2016年に変化が予想される製造業の5つのテーマについて聞いた。特に開発拠点のグローバル化や工場の自動化、マス・カスタマイゼーションでの変化を予想…日経ものづくり
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研究開発、工場、人材、新技術、「五番勝負」で製造業の将来を占う
今回取り上げた5つのテーマは、順に「グローバル化」「次世代工場」「デジタル人材」「マス・カスタマイゼーション」「軽量化材料」である。生産拠点のグローバル化が一段落した国内製造業にとって、2016年の最大の焦点は研究開発体制のグローバル化に移る。「次世代工場」では、人とロボットの協働を目指すのか、完全…日経ものづくり
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新興国拠点で素早く現地対応、国内拠点は高付加価値の研究に集中
日本企業の新興国への研究開発拠点進出が本格化している。新興国の中でもシンガポールやタイといった先進地域に、研究開発拠点を置く企業が増えている。研究開発を海外で実施するとなると、国内の研究開発は空洞化してしまわないだろうか。日経ものづくり
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協働ロボで部分的に自動化か、生産性を追求し完全自動化目指すか
多品種少量生産の工場では、多様な部品やワーク作業対象を扱うことから、完全な自動化が難しい。ロボットでは処理できない微妙な調整や臨機応変な対応も少なくない。そうした状況で人の作業を補助したり、人と協調して働いたりするロボットの必要性が今後高まっていく。日経ものづくり
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ものづくり現場とITのギャップを解消、双方の視点を製品とサービスに生かす
IoT(Internet of Things)の進展によってさまざまな製品がインターネットにつながり始めている。機械製品や電気製品は、もはやハードウエア単体では製品たり得ない時代である。ハードからインターネット経由でビッグデータを集めて分析・処理したり、サービスを提供したりするITシステムが、ハード…日経ものづくり
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形状や材質は固定せず、機能から出発して造り方を選ぶ
「マス・カスタマイゼーションの本質は、製品の付加価値を高めること」。こう語るのはリコー新規事業開発本部新規事業推進センターAM事業室室長の大谷正樹氏だ。従来も顧客ニーズに対して個別最適化するオーダーメードの製品は存在したが、マス・カスタマイゼーションはそれを大量生産と同等のコストや期間で提供すること…日経ものづくり