FPGAが狙う高性能コンピューターやデータセンター用サーバー機の市場で最大のライバルはGPUである。電力当たりの性能の高さがFPGAの武器だが、必ずしもこの点は既存のシステムでは明示されていない。性能を高めた最新のFPGA製品を活用して、GPUに対する優位性が高い実システムを開発していくことが必要だ。
FPGAの将来を占う市場が、大規模データ処理の本丸とも言える高性能コンピューター(HPC)やデータセンター用サーバー機におけるアクセラレーターとしての用途だ(図1)。この市場で競合技術に対する優位性を示せれば、車載をはじめとする他の用途の裾野を広げる上でも追い風になる。
FPGAの最大のライバルはGPUである(図2)。HPCのアクセラレーター市場は既にGPUが席巻しており、ディープニューラルネットワーク(DNN)の実行環境としてもFPGAは後塵を拝している。車載の画像認識システムなどでも、両者は競合関係にある。GPUに対してどこまで利点を打ち出せるかがFPGAの命運を大きく左右する。
現時点での最大の課題は価格の高さである。ミッドレンジ以上のFPGAの価格は1個100万円前後~数百万円と、GPUの数倍もする注1)。このハードルを超えられるかどうかは、FPGAメーカーと手を組んだマイクロプロセッサー陣営の戦略次第だろう。出荷数量が拡大すれば価格が下がるのは必然であり、市場拡大の勢いをつけられるかどうかは各社の販売戦略などにかかっている。