工場でよく見かけるパトライト(本社大阪市)の積層信号灯。従来製品は、中心にシャフトがあって、複数の信号灯を串刺しにする構造だった。しかし、2016年10月に発売した新シリーズ「LR」には、そのシャフトがない。シャフトで支える代わりに、各信号灯を相互に接続、固定できるようになっている。

 これは何を意味するのだろうか。信号灯を2灯積み重ねたい顧客と、3灯積み重ねたい顧客に対して、従来は長さの異なるシャフトを用意しなければならなかった。LRでは、その必要がなくなっているのだ。

バリエーション対応に限界

 多様な顧客ニーズに対応しなければならない、といわれるようになって久しい。もともと日本企業は、顧客のニーズをよく聞いて、それを満たす製品を生み出すマインドが高い。しかし、その気は十分あっても、従来からの設計手法ではだんだん対処できなくなってきた。