住友精密工業における航空機関連事業の歴史は約1世紀前にさかのぼる。ジェラルミンの研究から始まり、1925年にはプロペラ翼素材の製造を開始した*1。終戦後、10年近くのブランクがあるものの、その後50年以上にわたって航空機向けの部品を開発、生産し続けている。

*1 当時は住友伸鋼所。1961年に住友金属工業の航空機器事業部門を継承して住友精密工業として発足した。

 現在、同社が展開する航空機関連事業は、プロペラ・油空圧システム、熱制御システム、降着系統システム(脚システム)の3つ(図1)。中でも、同社グループの2014年度売上高の約4割(航空宇宙関連事業の2/3)を占めるのが、降着装置などの脚システムである。

図1 住友精密工業の航空機関連事業
図1 住友精密工業の航空機関連事業
ルーツは、航空機のプロペラ用素材であるジュラルミンの研究。現在は降着系統システムや熱制御システムなどの航空機関連事業を展開している。
[画像のクリックで拡大表示]