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日経エレクトロニクス 2016年11月号

“基板レス”で機器設計を変革第2部:要素技術

配線抵抗を一気に下げる、電源・アナログ・RFも流す

  • 宇野 麻由子
  • 2016/10/19 00:00
  • 1/4ページ

出典:日経エレクトロニクス、2016年11月号、pp.70-72(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

“基板レス”を支える配線技術の大きな課題が抵抗値の高さだ。大電流の電源ラインや信号劣化を避けたいアナログ・高周波(RF)信号を扱えない要因となっている。ここへ来て低抵抗化技術が相次ぎ提案され始めた。実用化によって基板レス技術の応用範囲はぐっと広がりそうだ。基板レス向け低抵抗化技術を紹介する。

 基板レス技術を担う新しい配線技術では、特に(1)抵抗が大きい、(2)接続信頼性が低い、という2点が問題視されている。

 (1)の主な原因は、Agナノインクなどの配線材料に含まれる導電性金属以外の溶剤だ。金属単体に比べて抵抗が大きくなる。Agナノインクを焼成すれば抵抗は1/100~1/10に低くなるものの空隙が残るなどして下がりきらない。配線層を厚くすることが難しいことなども原因となる。

 配線抵抗が大きいと、数Aといった電流を流せず電源配線に使いにくい。アナログ信号や高周波信号も通しづらくなる。

 そこで配線の低抵抗化技術の提案が相次いでいる(図1)。その1つが、厚配線の実現だ。既存のフレキシブル基板の配線には12~18μmのCu箔を使うことが多い注1)。対するAgナノインクの印刷には1回の印刷による配線厚が1μm未満などと、薄くなる場合が多かった。

注1)フレキシブル基板などのCu箔の厚みは、大電流用などを除けば、基板を薄くしたいといった要求から選択する場合が多いという。
図1 既存基板の配線の抵抗値に近づく
基板レス化に向けた配線技術は配線の抵抗値が大きく、多少配線を太くしても電源ラインなどアンペア(A)レベルの電流が流せないといった課題があった。ここ最近、配線層を厚く印刷するなど、低抵抗化に向けた技術が進化している。グラフは、各技術がおおよその目安として提示している抵抗の違いをコンダクタンスとしてまとめた。厳密な配線幅の違いなどは考慮していない。
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