近未来のIoT社会を考えるとき、センサーネットワークの重要性はますます高まる。今回はセンサーネットワークに関する6回の連載の最終回として、筆者が現在取り組んでいる研究を題材に用いて、IoTシステムのあり方と将来のテーマについて考えていく。(本誌)

 筆者はこれまでさまざまな研究に取り組んできたが、近年、特に「Research Question」として以下の3領域について大きな関心を持っている。

 第1は、「現時点の技術水準で実用化できる領域はどこか」である。センサーネットワークアプリケーションの追求である。これまでのセンサーネットワークでの取り組みで、その応用にはまだ膨大な領域があると感じている。少しずつでも成功事例を作って、今後の領域拡大に役立てたいという狙いである。

 第2 は、「センサーネットワークのより広範な活用にどのような技術が必要か」である。1つの解として、無線LANとセンサーネットワークの融合技術の高度化を進めている。比較的近い未来、例えば5年から10年ぐらい先に実用化できる技術を想定している。

 第3 は、「究極のセンサーネットワークとは何か」である。我々の技術が極限まで高度化したときに実現し得る究極のセンサーネットワークがどのような形になるか、何が可能になるかを考えている。やや趣味的とも思えるが、将来展望を考える要点であると思う。