車両全体の制御システムにモデルベース開発を適用する動きが活発化している。肥大化するソフトウエアや機能安全規格などのへ対応に向けて適用が不可欠になってきた。その適用領域はソフト開発だけにとどまらず、ハード設計にも広がりつつある。今後のクルマの革新を担う、ADASや自動運転機能の実現にも必須とされる。

 自動車業界では、大規模で複雑な車載制御システムの開発効率向上に向けてモデルベース開発(MBD)の適用が着実に増加している。MBDは開発するシステムで実現したい機能を抽象度の高い「モデル」として表し、そのモデルを使って開発プロセスを進めていく手法だ。1990年代にエンジン用ECU(電子制御ユニット)から導入が始まり、現在では変速機やステアリング、サスペンション、ブレーキはもちろん、インストルメントパネルや電動スライドドアといったさまざまな制御システムのECUに適用されている。