パナソニックでは、マスカスタマイゼーション時代の秘密兵器として着々とウエアラブル・デバイスの導入を進めている。正式発売前のヘッドマウント・ディスプレー(HMD)や音声認識端末を採用し、群馬大泉工場(群馬県・大泉町)のセル生産ラインの一部で新しい作業指示システムを運用。ベンダーとともに活用方法や機能改善に努める。同工場は、いま生産現場のウエアラブル・デバイス活用で世界最先端を走る1社と言える。

 同社で全社の生産技術開発を担う生産技術本部モノづくり強化センター製造力強化センター所長の小南泰三氏は、「価格が下がれば、適用工程を広げて現場に行き渡らせたい。将来的には作業指示だけでなく、他工場も含めて定型的な設備の保守・整備作業や、新人向けの作業訓練用システムなど他の展開も検討している」と、ウエアラブル・デバイスの幅広い利用に期待を寄せる。実際、既に作業指示以外の活用に向けた新たなシステムの開発に着手しているようだ。

 では、同社はどのような使い方をしているのか。2014年11月から試験導入を始めた同社群馬工場のコールドチェーン製品の生産ラインの内部を見てみよう。