これまで垂直統合の事業形態が一般的だったGaNパワーデバイス業界。ここにきて水平分業化の波が押し寄せている。アナログ半導体のファブレスメーカーが同デバイスを製品化し、それを大手ファウンドリーが製造する構図が一般的になっていきそうだ。水平分業の進展によって、GaN パワーデバイスの低価格化が加速する。

 2020年、市場規模は今の50倍以上になる─。そんなGaNパワーデバイスの急成長を富士経済は予測する(図1)注1)。同社は2015年の9億5000万円から2020年に530億円に拡大すると見込む。そのうち約4割を占めるのが情報通信機器分野だ。中でも、サーバー内のDC-DCコンバーターでの採用が増えるという。次いで、太陽光発電などの新エネルギー分野が130億円、「自動車・電装分野」が100億円に達するとみる。

注1) 富士経済の調査報告書での項目は「GaNパワー半導体」となっており、GaN FETのディスクリート製品を対象にしている。
図1 5年間で50倍超に急成長
図1 5年間で50倍超に急成長
富士経済の予測によれば、2015年に10億円だったGaNパワーデバイスの世界市場は、2020年に530億円に急拡大する。サーバーなどの情報通信機器分野や太陽光発電向けパワーコンディショナーなどの「新エネルギー」分野、自動車分野が成長のけん引役となる。
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