ブレーキは、電気系部品を冗長にした製品が登場。今後は、完全電動化に動く。ステアリングも冗長化が進む。その後はステア・バイ・ワイヤーに軸足が移る。サスペンションは、樹脂化が進む。ばね下質量を軽くし、クルマを速く動かす。SUVの普及を追い風に、電動スタビライザーや電動ダンパーの開発が加速し始めた。

 「レベル3」以上の自動運転に対応するには、ブレーキやステアリングを速く動かす仕組みと、電気系部品で失陥に強い冗長性を確保する必要がある。冗長性については、ブレーキがいち早く実現。ステアリングが続く。2020年頃には、ブレーキとステアリングをともに冗長にした車両が登場する見込みだ。

 ドイツBosch社と同Continental社が、モーターで油圧を制御する電動油圧ブレーキとESC(横滑り防止装置)を組み合わせて、油圧を速く高めつつ、冗長化して信頼性を上げた製品を開発した。

 Bosch社は、電動油圧ブレーキ「iBooster」とESCを組み合わせた機構を実用化した(図1)。ドイツVolkswagen社の「e-up!」や「e-Golf」などの電気自動車(EV)に搭載する。マスターシリンダーの油圧を高めるiBoosterが失陥しても、ESCの電動ポンプで4輪の油圧を制御できる。

図1 Bosch社の電動油圧ブレーキ
図1 Bosch社の電動油圧ブレーキ
(a)モーターでマスターシリンダーを押す。応答性を高められる。(b)ESCと組み合わせることで、冗長にできる。
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