「アルミニウム合金や炭素繊維強化樹脂(CFRP)が注目を集める現状には強い危機感を持っている。強度を高めると同時に成形しやすくすることで、鉄はまだまだ使えることを訴えていく」。新日鉄住金の自動車鋼板商品技術室長の水口俊直氏はこう強調する。

 自動車分野ではアルミ合金やCFRP、樹脂などを車体に採用する動きが加速している。環境規制への対応が求められる中、燃費性能を向上するカギとなる軽量化で効果が大きいからだ。自動車向け材料の主役の座を脅かされつつある鉄鋼メーカーはいかにして生き残りを図ろうとしているのか。

 新日鉄住金は鋼の性能向上とそれを使いこなすための加工技術を組み合わせて、自動車メーカーに売り込もうとしている。