東海旅客鉄道(以下、JR東海)が2016年6月下旬に発表した次世代新幹線の「N700S」(図1)。Sは英語で最高を意味する“Supreme”で、同社が満を持して投入する自信作だ。

図1 N700Sの外観イメージ
図1 N700Sの外観イメージ
現行のN700系と外観は似通っているが、3次元形状を考慮したシミュレーション技術を活用してさらに進化させ、騒音や走行抵抗の軽減を図っている。図はイメージで、標識灯については今後検討。
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 まず1編成(16両)の確認試験車を製造し、次世代新幹線に搭載する新技術を確認した後、2020年度から東海道新幹線で営業運転を開始する。2007年にN700系が営業運転を開始して以来のフルモデルチェンジとなる。

 「N700Sはこれまでの新幹線のモデルチェンジの歴史の中で最も大きな進化を遂げた」。JR東海の新幹線鉄道事業本部の副本部長で車両部長の上野雅之氏はこう説明する。

 とりわけ特徴的なのは駆動システムの大幅な小型・軽量化を実現させたことだ。現行のN700系の駆動システムと比べて1編成当たり11tの質量を削減できるという。