図1は、自動車のフロントエンドモジュール。ヘッドライトなどを搭載する大物部品だ。樹脂と接着というコア技術を持つダイセル・エボニック(本社東京)が開発した。最大の特徴は軽量化。従来品に対して質量を3.7kg減らし、約2割(20.9%)軽くした。

図1 自動車向けフロントエンドモジュール
図1 自動車向けフロントエンドモジュール
フレームの材料を鋼からアルミ合金に置き換えた上、アルミ合金と樹脂の接合に接着剤を使うことで軽量化した。
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 特筆すべきは、完成度の高さだ。同社は明かさないが、実用化時期は近いとみられる。というのも、新しいフロントエンドモジュールは、ドイツ連邦教育研究省が2011年から4年がかりで打ち出した自動車の軽量化に関する産官プロジェクトの成果物だからだ

* ドイツ連邦教育研究省が主催した自動車の軽量化に関するプロジェクトで、ダイセル・エボニックを合弁で設立したドイツ企業であるEvonik社の他、自動車メーカーの米Ford Motor社の欧州法人や、化学メーカーのドイツLanxess社、自動車向け構造部材メーカーのドイツKirchhoff社、樹脂成形メーカーのドイツMontaplast社、金属処理を手掛けるドイツHuhoco社が参加した。