三菱自動車やスズキによる燃費不正など自動車業界では最近、技術者による不正が頻発している。本質的な原因は何か、特定の企業だけの問題なのか、不正を防ぐには何が必要なのか。本誌では両社の調査結果を分析するとともに、自動車メーカーOBの座談会や技術者に対するアンケート調査を実施。そこから見えてきたのは、顧客視点で「いいクルマをつくる」という強い意志を持ち続けることの大切さだ。
特集
三菱・スズキの不正を繰り返すな
目次
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企業体質とリソース不足が要因
2016年4月に発覚した三菱自動車の燃費不正は、日産自動車による買収に発展した。同社は会社が存続できなくなるような不正をなぜ起こしたのか。そこには、技術者を不正へと駆り立てる企業体質やリソース不足といった要因が潜んでいた。本誌が実施した技術者へのアンケート調査でも一歩間違えれば、こうした不正が他でも…日経Automotive
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5回の目標変更が命取りに
2016年7月某日、トヨタ自動車とマツダ、そして三菱自動車のOB技術者が膝を突き合わせた。自動車業界で起こった不正の背景や原因を整理しつつ、今後の方策を議論するためだ。目標に到達できない際の対応や、不正を起こさせない組織とはどのようなものか。実体験に基づく各社の実態が多く明かされ、気付けば4時間半を…日経Automotive
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8割の技術者が不正に危機感
三菱自動車やスズキの燃費不正に代表される会社都合の不正問題は、決して人ごとではない――。約8割の技術者が不正が「起こっている、起こった」「起こり得る」と答えたことを先に紹介した。ここでは、その背景に何があるのか、技術者はどのような業務環境に置かれているのか、本誌が実施した技術者へのアンケート調査結果…日経Automotive
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開かれた環境で「いいクルマ」を
三菱自動車とスズキは再発防止策を発表し、行動に移し始めた。「企業体質」や「リソース不足」への方策は、トヨタ自動車や富士重工業などの先進事例が参考になる。国土交通省も不正の抑止力に重きを置いた新しい審査方法を、2016年秋にも導入する。失墜した業界の信頼を取り戻せるか。クルマづくりの本質を再考する時が…日経Automotive