- Part1 用具編
競泳/水着 継ぎ目と裏地に機能を隠す
テニス/ラケット ストリングを動かしスピン性能向上
自転車競技/自転車 車体はしなやかでもブレない後輪
陸上競技/ウエア、スパイク 回生エネルギーで走りをアシスト
パラ陸上/車いす 現代の「人馬一体」を目指す - Part2 設備編
自動採点システム 回転とひねりを超秒速判定
ハイブリッド芝 見えない補強で根っこを支える - Part3 数字で見る現場
「技術力競争の場」になった五輪大会、安全・公平な運営の支援にも期待
技術者のためのオリンピック観戦ガイド 2016
目次
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車体はしなやかでもブレない後輪
自転車[ブリヂストンサイクル]
自転車の走りが何となく思わしくないとき、選手が“後輪を引きずる感じ”と表現することがある。「このような感覚的な表現から改良点を見つけ出すのが、自転車メーカーの開発陣の役割」〔ブリヂストンサイクル(本社埼玉県上尾市)SPプロジェクトの中西安弘氏〕である。日経ものづくり
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回生エネルギーで走りをアシスト
ウエア、シューズ/スパイク[アシックス/ミズノ]
アシックスはリオ五輪向けに、陸上競技の短距離選手などが着用する「HL-0 スプリントスーツ」を開発した(図1)。上下が一体となったハーフスーツタイプで、ソックスも重要な役割を果たす。リオ五輪では、日本とフランス、イタリア、オランダ、フィンランド、韓国の6カ国の陸上競技代表チームに採用された*1。日経ものづくり
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現代の「人馬一体」を目指す
車いす[八千代工業/オーエックスエンジニアリング/日進医療器]
炭素繊維強化樹脂(CFRP)か、アルミニウム合金、あるいはマグネシウム合金か──。パラリンピックなどで使われる競技用車いす、中でも陸上競技用は技術開発が急ピッチで進んでいる。現在定着しているのは、メーンフレーム(車体)にアルミ合金を用いた車いす。これに対して、リオパラリンピックではCFRPを使った車…日経ものづくり
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回転とひねりを超秒速判定
自動採点システム[富士通グループ/日本体操協会]
体操競技で選手が繰り出す技は、ますます高度に、かつ複雑になっている。例えばリオ五輪代表の1人、白井健三選手の「ゆか」の新技「シライ3」は、わずか約1秒の間に、後方伸身宙返りを2回、同時にひねりを3回実行する1)、*1。採点に当たる審判員は、このような技の種類を瞬時に認識し、難易度などを判断して手元の…日経ものづくり
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見えない補強で根っこを支える
ハイブリッド芝[Desso Sports Systems社]
芝生の鮮やかな緑色が、観客の興奮をかき立てる。サッカーやラグビーの試合で使用する天然芝ピッチには、入念な維持管理が欠かせない。天然芝は、選手の体やスパイクとの摩擦や引っ張りによって、剝がれたり擦り切れたりと傷みやすいからだ。天然芝ピッチを擁する競技場では、傷んだ芝生を休ませる期間を設けなければならな…日経ものづくり
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「技術力競争の場」になった五輪大会 安全・公平な運営の支援にも期待
調査テーマ「オリンピック/パラリンピックを支える技術」
オリンピック/パラリンピックで代表されるスポーツ競技会において、技術の果たすべき役割は何か。運営面での安全や安心、公平性の確保に期待が大きいのに加えて、選手の真剣勝負を支援する役割もある。スポーツの主役はあくまで選手だが、選手を支える水面下で技術同士が競うことについては、肯定的な見方が多いようだ。日経ものづくり
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継ぎ目と裏地に機能を隠す
水着[デサント(アリーナ)/ミズノ/山本化学工業]
2008年の北京五輪で一世を風靡(ふうび)した、英Speedo社の競泳用水着「LZR Racer(レーザーレーサー)」。ウエットスーツのような浮力を持つ素材が採用され、着用した競泳選手が次々に世界新記録を達成する様子は、多くの人に強烈なインパクトを与えた。その裏で、コーチたちは「泳ぎ姿勢をフラットに…日経ものづくり
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ストリングを動かしスピン性能向上
ラケット[ヨネックス]
テニスのプレースタイルは近年、大きく変わってきている。以前は、サーブ&ボレーのように短時間で決着することが多かったが、ベースライン付近から打ち合うストローク戦が増えている。その中で、いかに精度の高い攻撃的な球を打てるかが勝負の行方を大きく左右する*1。そこで求められるのが、スピン性能の向上である。日経ものづくり