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日経エレクトロニクス 2016年8月号

音声対話が世界を揺るがす

リアルタイム音声翻訳、旅行分野では2019年にも本格実用化

  • 野澤 哲生
  • 2016/07/19 00:00
  • 1/4ページ

出典:日経エレクトロニクス、2016年8月号、pp.40-41(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

 音声認識技術のキラーアプリの1つは間違いなくリアルタイム音声翻訳だろう。非英語圏の多くの人は、英語やその他の外国語学習に膨大な時間と費用を投じている。その努力が要らなくなる技術が利用可能になれば、我々の人生や世界を大きく変えることは確実だ。世界を旅行する観光客が大幅に増えたり、言葉の壁による誤解や争いが劇的に減ったりすることも期待できる。

 この夢が、観光など幾つかの限定的な状況では2019~2020年にも実現する可能性が高まってきた。

テキスト間から音声間には高い壁

 Web版の簡易的な機械翻訳サービスについては、GUIベースのWebブラウザーが1993年に登場して間もない時期から、無料で提供されてきた。現時点では、米Google社のほか、米Microsoft社、米Facebook社などITの巨人と呼ばれる企業がテキスト間の翻訳サービスを無料で提供している。

 現在無料でサービス提供しているのは、実はデータを集めて、対訳コーパスと呼ぶ統計データを拡充するのが目的だ(図A-1)注A-1)。コーパスはデータが多いほど、翻訳の確からしさが高まるのである。

注A-1)機械翻訳がコーパスを使うようになったのは実は2000年前後から。それまではルールベースと呼ばれる、人間が設定した翻訳ルールを基にしていた。
図A-1 多言語間の音声入出力の機械翻訳が可能に
機械翻訳の処理の概要(a)と、音声で入出力できる翻訳アプリの例(b、c)。情報通信研究機構(NICT)が提供するアプリは、翻訳結果(中段)を再翻訳(下段)することで翻訳の正しさを確認できる(b)。(d)に主な翻訳サービスの多言語対応状況(d)を示した。
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