事故を減らす“予防安全”と被害を軽減する“衝突安全”は、富士重工業の強さの源泉だ。2020年に向けて、自動ブレーキと衝突安全で世界のトップレベルを目指す。自動ブレーキは今後、交差点での歩行者や自転車などに対応させる。衝突安全では新プラットフォームで、斜め前方からの「オブリーク衝突」に対応する。

 富士重工業は今後も、予防安全・衝突安全の両方で世界トップクラスの評価を維持することに力を注ぐ。ステレオカメラを使う運転支援システム「アイサイト」の作動範囲を2020年代に向けて広げるとともに、新しいプラットフォーム「SGP」では斜め前方からの衝突でも乗員を保護できる構造にする。米国を中心とするIIHSやNHTSAなどの自動車アセスメントは、年々評価項目が厳しくなっている。これらで最高評価を取り続け、安全性で評価されるメーカーの地位を守り抜く。

 アイサイトの自動ブレーキの作動範囲は現在、直線の道路を走行しているときを想定しているが、これを交差点内にも広げる(図1)。他社が低価格の自動ブレーキ搭載車を増やす中、富士重工はこうした取り組みによる性能強化で、業界リーダーの地位を維持する。

図1 ステレオカメラを使う運転支援システム「アイサイト」の将来展開
図1 ステレオカメラを使う運転支援システム「アイサイト」の将来展開
これまでは直進時が中心だったが、2020年代に向けて交差点の事故低減を進める。
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