富士重工業が、次世代車で採用する新しいプラットフォーム「SGP」を開発した。電動車両への対応、水平対向エンジンの継続使用、衝突安全性能の強化が柱である。SGPには、強みもあるが弱みもある。環境規制の強化、安全性能の競争激化という流転の中で、生き残りを賭ける。

 「新世代プラットフォームで、スバルの強みである“走り”と“安全性能”をより高めていく」――。2016年3月のニューヨークモーターショーで、富士重工業社長の吉永泰之氏は次世代車への思いを語った(図1)。

図1 2016年秋に発売する次期「インプレッサ」
図1 2016年秋に発売する次期「インプレッサ」
2016年3月のニューヨークモーターショー。富士重工業社長の吉永泰之氏は「新プラットフォームを採用した最初のクルマ。環境対応、安全性を高めている」と述べた。
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 富士重工は2008年のリーマンショック以降、米国を中心に販売台数を伸ばした。2008年度に56万台だった世界販売台数は直近の2015年度には71%増の96万台に増えている。2016年3月期には営業利益率17.5%を達成し、世界の自動車メーカーの中でもトップクラスの収益性を誇る。