北米市場の好景気を背景に、業界最高レベルの営業利益を出した富士重工業。2016年秋に実用化する、新開発プラットフォーム「SGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)」でさらなる高みを目指す。ただ、2020年以降の課題も見えてきた。コア技術の水平対向エンジンや予防・衝突安全技術を生かしながら、新たな手を打つことが求められている。
特集
スバル成長戦略の光と影
水平対向頼みからの脱却
目次
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選択と集中で何を残すのか
富士重工業が、次世代車で採用する新しいプラットフォーム「SGP」を開発した。電動車両への対応、水平対向エンジンの継続使用、衝突安全性能の強化が柱である。SGPには、強みもあるが弱みもある。環境規制の強化、安全性能の競争激化という流転の中で、生き残りを賭ける。日経Automotive
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SGPベースにEV/PHEVを投入
“走り”を売りにしてきた富士重工にとって、最大の課題は2018年に強化される米ZEV規制。エンジンの改良よりもPHEVやEVなど電動化に注力することで規制対応を図る方針だ。ただ、富士重工のエンジンは縦置きであるため、横置きの一般的なHEVシステムは採れない。SGPをベースに2018年にPHEV、20…日経Automotive
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次期アイサイトと新骨格が鍵
事故を減らす“予防安全”と被害を軽減する“衝突安全”は、富士重工業の強さの源泉だ。2020年に向けて、自動ブレーキと衝突安全で世界のトップレベルを目指す。自動ブレーキは今後、交差点での歩行者や自転車などに対応させる。衝突安全では新プラットフォームで、斜め前方からの「オブリーク衝突」に対応する。日経Automotive
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水平対向の限界を超えろ
富士重工業は車種を絞る「選択と集中」の戦略で、これまで高い利益率を維持してきた。円高が進む中で2020年度まではこの戦略を維持し、年間120万台以上の世界販売を目指す。ただしそれ以降は、水平対向エンジンを前提にした戦略に限界も見え隠れする。直列エンジンや小型車対応など、次世代車への選択肢を考え直す時…日経Automotive