多くの技術やノウハウを蓄積するが、小回りが利かない大手メーカー。ベンチャーと組むことで、その潜在力を引き出す事例が増えている。お互いに得意な部分を融合することが、ものづくりの新地平を開く。

 アジアや欧米などの新興メーカーとの競争が激化して、日本の大手電機メーカーは苦戦している。家電製品のIT(情報技術)化が進む中で、従来型の商品開発手法は通用しなくなりつつある。

 こうした流れの中で、ソニーなどは新たな制度を設け、社内においてものづくりベンチャーの育成に力を注ぐようになった。

 それでも大企業が自社で生み出せるベンチャーの数は限られているのが現実だ。外部のベンチャーと組むことも視野に入れたほうが、革新的な商品を生み出せる確率は高まる。大手メーカーに眠るさまざまな技術や人材を生かすには、自前主義を排し、オープンイノベーションの視点を持つことがカギになりそうだ。