IHS社は、2016年7月に東京で開催した「31st IHS Display Japan Forum」で今回の予測データを発表した。対象の有機ELパネルはアクティブマトリックス型。有機ELパネルとLTPS液晶パネルのテレビ以外の用途は、ほとんどがスマートフォンである。それ以外には、ヘッドマウントディスプレー、タブレット端末、ノートパソコン、スマートウォッチ、車載ディスプレーなどが含まれる。テレビを含めた有機EL需要は、さらに早く立ち上がるとIHS社は予測している。(図:IHSマークイット テクノロジーのデータを基に本誌が作成)
IHS社は、2016年7月に東京で開催した「31st IHS Display Japan Forum」で今回の予測データを発表した。対象の有機ELパネルはアクティブマトリックス型。有機ELパネルとLTPS液晶パネルのテレビ以外の用途は、ほとんどがスマートフォンである。それ以外には、ヘッドマウントディスプレー、タブレット端末、ノートパソコン、スマートウォッチ、車載ディスプレーなどが含まれる。テレビを含めた有機EL需要は、さらに早く立ち上がるとIHS社は予測している。(図:IHSマークイット テクノロジーのデータを基に本誌が作成)
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 スマートフォン向けなど小型パネル市場で、有機ELの需要が急拡大するとの見通しを調査会社の英IHS Markit社が示した。同社は、用途別のパネル需要を予測し、スマートフォン用途のハイエンド市場で主力のLTPS(低温多結晶Si)TFT液晶パネルを有機ELパネルが2020年に逆転するとした。

 同社の予測によると、LTPS液晶パネルの需要は2020年に2016年比およそ1.4倍の590m2に拡大すると見込むものの、有機ELの伸びがさらに上回る。有機ELの需要は大きく成長し2020年には2016年比で約2.2倍の640万m2に達するとみる。

 予測の前提は、両パネル需要のほとんどを占めるスマートフォンが有機ELパネルの搭載を拡大させることである。既に韓国Samsung Electronics社は主力の「Galaxy」シリーズに搭載を継続しており、米Apple社も2017年に搭載を始める見込みだ。

 こうした流れを受けて、Samsung Display社、韓国LG Display社が有機ELパネルの増産に乗り出す。ジャパンディスプレイとシャープも有機ELパネル向けに投資すると相次ぎ発表した。中国Tianma Microelectronics社など中国メーカーにも増産または生産を計画しているところがある。