アナログ半導体やMEMSセンサーを手掛ける米Analog Devices社は、アイルランド・リムリックの半導体工場(以下、リムリック工場)を「つながる工場」にしようとしている。リムリック工場は、主に「前工程」と呼ばれるウエハー処理をする工場だ。「究極の目標は、設備を止めないこと」。プロジェクトを主導するChris Byron氏(同社Engineering Supervisor)はこう語る。

 なぜ、同社は「つながる工場」に取り組むのか。それは、工場に求められる品質や生産性のレベルがどんどん上がっているからだ。そもそも、半導体は技術の進歩が非常に速い分野である。半導体の製造プロセスが微細化するのに伴い、きめ細やかな生産管理が必要になってきた。

 リムリック工場が操業したのは、今から20年以上も前のことである。操業当時としては十分だったかもしれないが、今となってはその限界も見えてきた。だからこそ、「つながる工場」の実現が不可欠なのだ。