ヤマザキマザック(本社愛知県・大口町)は、同社のNC装置「MAZATROL SmoothX」を搭載した複合加工機や、サイバー攻撃を防ぐセキュアーなスイッチングハブ、ロボットによる無人化システムなどを取り入れた次世代工場のコンセプト「iSMART Factory」を掲げ、同社の大口製作所と米国ケンタッキー工場に展開している(図1)。

図1 iSMART Factory化が進む大口製作所
図1 iSMART Factory化が進む大口製作所
ネットワーク接続された工作機械がずらりと並ぶ。これら工作機械をはじめとする生産設備をつないで現場の情報をリアルタイムで見える化するとともに、ロボットなどを駆使して省人化を進めている。
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 工作機械やロボット、計測器といった生産現場のあらゆる設備をIoT(Internet of Things)化して情報を集め、生産設備のさまざまな情報を見える化することで自動化や省人化、コスト削減をこれまで以上に進化させるのが狙いだ。最終的には「受注情報の生産計画へのダイレクトな反映や、カスタマイズ要求への即応、高機能なNC装置を介しての工作機械の機能更新や新機能追加といった、『サービタイゼーション』を提供できる工場」(執行役員大口製作所製作所長の堀田政春氏)の実現を目指している。

 実際、大口製作所では2015年からiSMART Factoryのコンセプトに沿ってIoT化されたラインが稼働しており、可視化とデータ分析により設備の保守タイミングの最適化といった具体的な効果が出始めている。