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HOME有料会員向けトップ > 世界初の汎用人工知能へ、オープンな開発を加速

日経エレクトロニクス 2016年6月号

人工知能、超人間へのロードマップ第5部:論文

世界初の汎用人工知能へ、オープンな開発を加速

  • 山川 宏=全脳アーキテクチャ・イニシアティブ代表 ドワンゴ人工知能研究所 所長
  • 2016/05/19 00:00
  • 1/12ページ

出典:日経エレクトロニクス、2016年6月号、pp.48-56(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

世界に先駆けて日本発で汎用人工知能(AGI)を開発する。この目標のもとに集まった研究者の団体が「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ」だ。脳に学ぶことがAGI実現への最短の道という方針を掲げる同団体の山川代表に、今後のロードマップをまとめてもらった。(本誌)

 2015年8月、筆者らは特定非営利活動法人「全脳アーキテクチャ・イニシアティブ(WBAI:Whole Brain Architecture Initiative)」を設立した。企業・大学・国立研究所などのさまざまな研究機関を中心とした汎用人工知能の開発を支援する団体である1)。本稿では、我々の狙いや基本方針、今後の展開などを説明したい。

 我々の根本にある発想は、人間の脳の構造や動作に学ぶことで、汎用人工知能を最短の時間で実現できるというものだ。目標は、早ければ10年以内にも人間並みの能力を備えた汎用人工知能を完成させることである(図1)。まずは、2020年ごろの実現を目指して、ネズミ(齧歯類)の脳と同程度の人工知能を試作する。その後、2016年か2017年にもサル(類人猿)と同等を狙った人工知能の開発をスタートする。人間並みを目指した開発に着手するのは2020年の予定で、2025年ごろまでに完成にこぎつけたい。

図1 汎用人工知能実現への工程表(2015年8月時点)
ネズミと同程度の知能から始めて10年以内にも人間と同等の知能を実現する計画である。
[画像のクリックで拡大表示]

 しかしながら、このロードマップを作成した一年前に比しても、昨今の人工知能技術の進展は加速の度合いが著しく、既に関係者内においても、その見直しが検討されている。

表1 全脳アーキテクチャ・イニシアティブの活動内容
[画像のクリックで拡大表示]

 WBAIは、全脳アーキテクチャ(WBA)の研究開発において、研究支援的な部分を手掛ける。多くの企業や研究機関の成果を統合するプラットフォームの構築や、汎用人工知能の学習環境や評価手法の確立などを手掛ける(表1)。開発した技術や仕様は基本的に無償で公開していく。我々の狙いの1つは人工知能開発における日本の存在感を高めることだが、日本国内に活動を閉じるつもりはなく、海外の企業や研究機関への支援にも取り組みたい。多くの団体や大学などとも連携しながら、WBAに基づく汎用人工知能の1日も早い完成に貢献していきたい。

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