設計者を取り巻く環境は厳しくなるばかり。時間が限られた中で、検討すべき項目は増え、技術的な要求レベルも高まっている。
それに対応するため、流用設計やIT活用などが進んだが、効率化の名の下に繰り返された付け焼刃の仕事は、設計者から大切なものを奪っていた。

 現設計者が持っているべき知識やスキルを再確認し、もし失われていたら再教育などを実施して身に付けてもらう。こうした設計者の体質強化は、企業の設計力を高めるためには不可欠である。

 しかし、単に座学で学んだだけでは設計者の体質強化は実現しない。加えて、現在の業務をこなす中で自然に先輩から後輩へと受け継がれていくことにも期待できない。設計者に必要な知識やスキルをどう学ばせればよいのか。ケーヒンとヤマハの取り組みの中から、設計者の体質強化のポイントを探ってみよう。