設計力の向上に向けた取り組みに力を入れる企業が増えている。ものづくりの基礎・基本や原理・原則といった、設計者が本来身に付けているべきスキルに立ち返り、それを現在の環境に合わせて再強化するとともに、さらに高みを目指して設計力の向上を図る企業の姿を追う。
特集
温故知新の設計改革
目次
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いつの間にか低下した設計力、原点に立ち返り再強化
part1 総論
「4〜5年前に(量産直前での)手戻りが多かった時期があった」。こう語るのは、ケーヒンの上席執行役員で開発本部四輪担当兼技術評価室担当の伊藤康利氏だ。例えば、ある製品の鋳造部品で量産型を造ってから不具合が発覚し、対応に多大な工数を要したのだ。 日経ものづくり
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本質を見極め地力向上
Part2 体質強化
設計者を取り巻く環境は厳しくなるばかり。時間が限られた中で、検討すべき項目は増え、技術的な要求レベルも高まっている。それに対応するため、流用設計やIT活用などが進んだが、効率化の名の下に繰り返された付け焼刃の仕事は、設計者から大切なものを奪っていた。日経ものづくり
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「電脳」を味方に付けて能力数倍に
Part3 限界突破
コンピューターにより良い設計案を探索させる「ジェネレーティブ・デザイン」や人工知能(AI)を、設計者が使いこなす時代が近づいている。そこで重要になるのは、どのように案を探せばよいかを的確に指示することだ。設計上で解決すべき問題を論理的に表現することがより必要になり、設計対象で何が起きているかを深く理…日経ものづくり
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設計力の妨げになる要因も、克服すれば強化の原動力に
Part4 数字で見る現場:調査テーマ「設計者の仕事」
自社の設計力が低下しているという危機感が強い一方で、最近少し「設計力が上昇」したとする回答者が少なくない。設計者のスキルを高めるための取り組みが効果を上げているようだ。設計力低下の背景にはノウハウの伝承不足、一方で上昇の背景には品質に対する要求レベルの高まりやコンピューターによる設計ツールの進歩があ…日経ものづくり