米General Electric社(以下、GE社)がIT(情報技術)業界の台風の目になる─。

 わずか2~3年前にこんな見方を口にしても、多くのIT業界の関係者はたぶん信じなかっただろう。

 GE社は航空機エンジンや発電用タービンなど産業機器が主力の巨大メーカーだ。2011年ごろから畑違いのソフトウエア分野を強化する方針を打ち出していたが、IT業界における存在感は小さかった。

 だが、最近になってGE社は世界的なIT企業と相次いで提携することを発表している。2016年春以降、米国のIntel社、Cisco Systems社、Oracle社、Microsoft社と提携(図1)。いずれも産業機器のIoT(Internet of Things)化の推進が目的だ。

図1 Microsoft社CEOのSatya Nadella氏(左)とGE社会長兼CEOのJeff Immelt氏
図1 Microsoft社CEOのSatya Nadella氏(左)とGE社会長兼CEOのJeff Immelt氏
ITの巨人、Microsoft社は産業機器のIoT化ではGE社と組むことを決めた。
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 そして2016年10月26日、GE社はNECとIoT分野で包括提携すると発表した。GE社の産業機器向けソフトウエア・プラットフォーム「Predix」を活用。NEC自身や顧客企業の産業機器同士をつなぎ、大量のデータをソフトウエアで分析して、運用効率を高める取り組みを始める。