足元では好調なライトビークルの国内販売。しかし、中長期的には日本の新車需要は低迷が予測される。そこで、日本の自動車メーカーが日本での生産を維持していく上で求められるのが、より積極的な輸出戦略だ。(本誌)

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 2017年の日本におけるライトビークル(乗用車と車両総重量6t未満の商用車)の生産台数は、前年比45万台増の920万台の見込み(図1)。その30万台は国内販売の増加、15万台は主に海外の旺盛なSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)需要が支える。足元の国内需要は好調で、2017年のライトビークルの国内販売は前年比5%増の510万台まで成長するだろう。だが中長期的には日本の新車需要は低迷、日本生産を維持するにはより積極的な輸出戦略が必要となる。

図1 日本におけるライトビークルの生産・販売台数
図1 日本におけるライトビークルの生産・販売台数
IHS Markit Automotive調べ。2016年までは実績。2017年以降は予測。ライトビークルとは、乗用車と車両総重量6t未満の商用車を指す。
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 輸出戦略の中で中核を担うのは電気自動車(EV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の技術だ。世界市場の50%を握る中国、欧州連合(EU)、米国のZEV規制採用州が、EVとPHEVをゼロエミッション政策の中心に据えているからだ。日本の政府・自治体もさらに一歩踏み込んで、これらの技術をまず日本に普及させるための補助金や課税制度を導入することが望まれる。

 2020年以降、日産自動車グループとホンダは、順に国内生産を100万台、90万台を維持できると予測。一方トヨタ自動車は、単独で国内生産300万台を維持するには限界がきている。