前回に引き続き、今回もインダストリー4.0(I4.0)の「アプリケーション・シナリオ」を紹介します。今回取り上げるのは、全部で9つあるアプリケーション・シナリオのうち、「Order Controlled Production(OCP)」と「Adaptive Factory(AF)」です。そのうちOCPは、2017年の「Hannover Messe(ハノーバーメッセ)」で、I4.0を推進する団体Plattform Industrie 4.0(Plattform I4.0)における5つのワーキンググループ(WG)の代表5人によるパネルディスカッションが開かれた際に、進捗が報告されていました。

 前回も述べた通り、アプリケーション・シナリオをベースに議論や検討を進める目的は、I4.0のような製造業のデジタル化を実現するために現状で足りない要素を特定することにあります。今回は、このOCPとAFに関連した取り組みを通じて、その点について詳しく触れていきます。