今回は、2017年4月下旬にドイツ・ハノーバーで開催された世界最大の産業見本市「Hannover Messe 2017」から幾つかのトピックを紹介したいと思います。インダストリー4.0(I4.0)の状況を理解する上で、Hannover Messe(ハノーバーメッセ)は最も重要なイベントといえるかもしれません。なぜなら、I4.0推進のまとめ役であるPlattform Industrie 4.0(Plattform I4.0)は、これまでもハノーバーメッセのタイミングに合わせてさまざまな発表を行ってきたからです。

 Plattform I4.0は、2012年までに取りまとめられたI4.0に関する提言を実現するために、Bitkom(ドイツIT・通信・ニューメディア産業連合会)、VDMA(ドイツ機械工業連盟)、ZVEI(ドイツ電気・電子工業連盟)という3つの業界団体によって2013年に設立されました。Plattform I4.0の設立が発表されたのも、同年のハノーバーメッセでした。ちなみに、これらの業界団体に加盟している企業は6000社以上に達します。

 その後、2015年のハノーバーメッセでは、Plattform I4.0が企業や業界団体だけではなく、政府、労働組合、研究機関なども参加する産官学プロジェクトに拡張されました。さらに、2016年のハノーバーメッセでは、新体制になって1年目の活動を振り返った進捗レポートを公表しています。