「イノベーションを起こす人材を急いで育成しないと生き残れない」。そんな危機感を持つ大手メーカーが増えている。技術の革新と融合が進む中、新たにユニークな商品が登場し、瞬く間に市場を席巻するケースが目立っているからだ。

 例えば、家電。かつては日本の大手メーカー同士で競争していたが、最近は欧米のベンチャーや中国などアジアの新興国メーカーがライバルになるケースも多くなっている。

 掃除機ではロボット掃除機「Roomba」の米iRobot社やサイクロン技術で知られる英Dyson社が、スマートフォンでは中国Xiaomi社などが台頭し市場を席巻している。

 多額の投資が必要で新規参入が難しいとされてきた自動車分野でも変化が起きている。電気自動車(EV)の米Tesla Motors社に続き、欧米やアジアなどで、新しいベンチャーが次々に産声を上げている。

 瞬く間に市場を奪われるリスクがある中では、大企業でも既存のビジネスに安住してはいられない。米国のシリコンバレー流の手法などを参考に、イノベーションを起こす人材を急ピッチで育成しようという動きが加速している。