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日経ものづくり 2017年4月号

私のものづくり魂[技術・技能] 最高を極める魂

「魂」を込めなければ1μm以下は無理

植武 晴彦(キヤノンモールド 技能伝承部 課長)

  • 「私のものづくり魂」取材班
  • 2017/03/31 00:00
  • 1/2ページ

出典:日経ものづくり、2017年4月号、pp.48-49(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

卓越した技術を持つ「現代の名工」。2016年度に金属特殊加工機工分野で選ばれたのが、植武氏だ。治具研削盤を巧みに操り、目で見極めることすら難しい1μm以下の「超高精度」加工をこなす。しかも、1度のミスも犯さない。生産現場での長年の経験はもちろん、「魂」を込めて加工に挑むことが常人離れした技能を可能にするという。

 精度とは、私にとって「魂」です。だからこそ、「1000%」の自信を持って求められた精度を実現します。その自信がなければ、完全な製品を造ることはできない。この1000%のうち、100%は自分の技能に対する自信、残りの900%は「俺でなければ完璧なものは出来ない」という自信から成り立っていると考えています。

 なぜ、精度は魂なのか。それは、お客様に最高のものを提供したいからです。そのために、自分が納得するものを造りたい。図面の寸法通り、差を限りなくゼロにしないと気が済まないのです。

 私の専門は、治具研削盤を使った精密加工。金属製ワークに対し、切削でも放電加工でも出せない極めて高い精度を求められる部分の加工を、この工作機械で行うのです。対象は、カメラやレーザープリンターの光学系微細部品や、微細な金型部品など。これを私は1μm以下の精度で仕上げることができます。

 1μm以下になると、視覚的に判断できる限界を超えるといわれています。私はヘッドホンで加工中の音を聞くことで研削量を判断することができます。工具(軸付き砥石)は加工中に摩耗し、剛性が下がってたわみやすくなる。それに応じて切り込み量を調整する必要があるのですが、この変化も聞き分けています。

うえたけ・はるひこ
茨城県立江戸崎高等学校卒業後、1982年にキヤノンに入社。生産工機部製作課に配属され、治具研削盤工として働き始める。以来、治具研削盤を中心に技を磨き、金型や部品の精密研削を極める。2002年に同社のA級技能者に認定(治具研削盤加工)された。

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