製造業を取り巻く環境は急激に変化しており、技術者は考え方を変えるべき。ただし、根本の思想は、時代を超えて引き継ぐべきものがある─。設計・生産の技術者たちが考える「ものづくり魂」の在り方は、これまでに確立した伝統や基本の上に、柔軟な探求心が加わったものと言えそうだ。

 「日経ものづくりNEWS」の読者を対象としたアンケート調査で、「近年、製造業を取り巻く環境が変化する中、技術者のものづくりに対する考え方が変化することについて、どのように考えるか」と聞いた*1。この問いに対しては、「大きく変化すべき」または「少しは変化すべき」を合わせて、実に93.3%の回答者が「変化すべき」と答えた(図1)。

図1 技術者は考え方を変化させるべきか
図1 技術者は考え方を変化させるべきか
「日経ものづくりNEWS」読者に聞いた調査(2017年2月24日~3月3日に実施、回答数659)から。ほとんどの回答者が「大きく変化すべき」または「少しは変化すべき」と答えた。
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*1 回答者のプロフィールは「読者が考えるものづくり魂」に掲載。

 だからといって、これまで身に付けてきた“蓄積” を否定するわけではない。「技術者が受け継いでいくべき普遍的な考え方が存在すると思うか」という質問には、「全ての技術者に共通するものが存在する」「業種や職種によって異なるが存在する」を合わせて97. 8%もの回答者が「存在する」との考えを示した(図2)。

図2 技術者が受け継ぐべき普遍的な考え方は存在するか
図2 技術者が受け継ぐべき普遍的な考え方は存在するか
図1では「変化すべき」との回答がほとんどだった一方で、技術者が受け継ぐべき考え方について「全ての技術者に共通するものが存在する」「業種や職種によって異なるが存在する」を合わせると、ほとんどの回答者が「存在する」とした。
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