日本電産はエレクトロニクス業界の世界最大級の展示会「CES」に、今年(2016年)初めて出展した。同社のブースには新製品がずらりと並べられた。その中で、特に目を引いたのがHMI(Human Machine Interface)やドローン、ロボット、VR(仮想現実感)といった今後大きな成長を期待できる分野に向けた製品である。

 毎年1月に米国ラスベガスで開催される、エレクトロニクス業界の世界最大級の展示会「CES」。これまでは、テレビをはじめとするAV機器や、スマートフォンやタブレット端末などの携帯機器が主役だった。これらに加えて、今年の「CES 2016」では、自動車やロボット、AR(拡張現実感)/VR(仮想現実感)用ヘッドマウントディスプレー(HMD)といった、今後の成長が期待される新しい分野のエレクトロニクス機器の出展が相次いだ。

 日本電産は、2030年度・連結売上高10兆円を目指す上で新規市場の開拓が不可欠だと考えている。その尖兵といえる新製品を2016年1月の「CES 2016」に出展した。それらの中で目を引いたのが、機器操作時に人の触覚へフィードバックする部品(以下、触覚フィードバック部品)、ウエアラブル端末やドローンなど幅広い用途に向けたブレ補正カメラ、産業ロボットに向けた減速機や無人搬送機(AGV)、VR用HMDで用いる位置センサーのモーターである。第2部では、それらの製品を取り上げる。