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日経Automotive 2017年4月号

電動化時代の変速機Part3 環境対応の先を見る

あえて変速して走りを追求

  • 中島 募
  • 2017/03/10 00:01
  • 1/6ページ

出典:日経Automotive、2017年4月号、pp.42-45(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

変速機によって電動車の走行性能を高める動きもある。トヨタはレクサス「LC500h」でスポーツカーとしてのHEVの可能性を追求する。プリウスPHVでは、変速機の改良で2モーターによるEV走行を可能にした。EVにも変速機を装備する試みも始まっている。

 ハイブリッド車(HEV)が普及期を迎えた今、燃費性能だけでは電動車の差別化が難しくなりつつある。「燃費が良いのは当たり前」と考え、それ以外の付加価値を電動車に求めるユーザーが増えている。その付加価値の一つがクルマの走行性能だ。変速機の改良や工夫で走行性能を高めることにより、電動車の高付加価値化を目指す動きが活発化している。

 こうした動きの最先端ともいえるのが、トヨタ自動車が2017年春に発売予定のレクサス「LC500h」に搭載されている「マルチステージハイブリッドシステム」だ。同社の2モーター式ハイブリッドシステム「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」の電気式CVTに4速のステップATを組み合わせた変速機構である(図1)。

図1 レクサスLC500hのHEV対応変速機
モーターと動力分割機構を使った電気式CVTと4速ステップATの組み合わせにより、10速の模擬変速制御を可能にした。
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 レクサスGS450hやLS600hに搭載されている従来の機構は、遊星歯車を使った2段式の減速機で走行用モーター「MG2」の駆動力だけを増幅していた。LC500hの新システムでは、この減速機の代わりに4速のステップATを配置。MG2とエンジンの合力をステップATに入力して駆動力を増幅する(図2)。

図2 レクサスLC500hの変速機の大まかな仕組み
レクサスGS450hやLS600hに搭載されている従来の機構は、遊星歯車による減速機でモーターの駆動力のみを増幅していたが、減速機の代わりにステップATを配置してエンジンとMG2の合力を増幅するようにした。
[画像のクリックで拡大表示]

 LC500hのプロトタイプは最高出力が220kW/6600rpm、最大トルクが348N・m/4900rpmのV型6気筒3.5Lエンジンと、最高出力が132kW、最大トルクが300N・mのMG2の合力を増幅する。システム全体の最高出力は264kWである。

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