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日経Automotive 2017年4月号

電動化時代の変速機Part2 モーターとの共存に活路

小さく軽く、設計変更も抑える

  • 中島 募
  • 2017/03/10 00:01
  • 1/6ページ

出典:日経Automotive、2017年4月号、pp.36-41(記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります)

変速機のHEV対応が進む中、小型軽量化に向けた動きが加速している。トヨタは減速機構を見直すことで、変速機の全長を約12%短縮した。ホンダはDCTの1速に遊星歯車を使い、モーターの冷却機構なども工夫した。ATよりも小型軽量なMTのHEV対応を可能にするシステムも登場した。

 ハイブリッド車(HEV)におけるモーター走行の比率が高まる中、自動車メーカーは変速機のさらなる小型軽量化へと動いている。その代表ともいえるのがトヨタ自動車が2015年12月に発売した4代目「プリウス」だ。

 プリウスに採用されている2モーター式ハイブリッドシステム「THS(トヨタ・ハイブリッド・システム)」では、エンジンからの出力を遊星歯車を使った動力分割機構でタイヤ駆動用と発電用に配分する。発電用に配分された動力で発電機(MG1)を回し、その電力で走行用モーター(MG2)を駆動。この駆動力を減速機構で増幅し、タイヤ駆動用に配分されたエンジンの動力と合流させてタイヤを駆動する。HEV走行のときはMG1の励磁電流を制御することで動力分割機構の遊星歯車の回転を制御し、エンジン出力と駆動軸の間の変速比を無段階で変える。

 先代プリウスの変速機ではMG1とMG2、動力分割機構、減速機構がエンジンの動力伝達軸と同軸に配置されていた。このため、変速機の全長が長くなっていた。現行品ではこのレイアウトを見直すことで変速機を小型化した。先代と同様にエンジンの動力伝達軸上に動力分割機構とMG1を配置する一方、減速機構として使っていた遊星歯車を平行軸歯車に変えた(図1)。

図1 プリウスのHEV対応変速機構
MG2の駆動力を増幅する減速機構を、遊星歯車から平行軸歯車に変更することでMG1とMG2の縦方向の配置が可能になった。これによって従来は409mmだった変速機構の全長を362mmに短縮した。
[画像のクリックで拡大表示]

 この変更により、MG1とMG2を縦方向に配置できるようになった。その結果、変速機の全長は3代目の409mmから約12%短縮して362mmとなった。なお、この変更は変速機の高効率化にもつながっている。減速機構を平行軸歯車にしたことで歯車の数が減って噛み合う面が少なくなり、変速機全体の伝達損失は20%低減した。

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