2020年までに“グーグルカー”が世界中を走り回る――。自動車業界の新興勢力が描いた「夢」が、にわかに現実味を帯び始めた。完全自動運転を実用化する上で大きな障害となっていた「運転者の存在」を解決する糸口が見えてきたからだ。潮目を変えた技術が人工知能(AI)である。米国で無人運転車が本格的に走り出しそうだ。
特集
運転者はAI
近づく無人運転時代
目次
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完全自動運転車が世界を走る
米運輸省道路交通安全局(NHTSA)が示した見解に、自動車業界が騒然となっている。2016年2月、人工知能(AI)を運転者と見なせると示唆したのだ。「AI=運転者」が認められれば、完全自動運転車は世界中で走り回れるようになる。2020年の実用化を公言する米Google社の野望が、現実味を帯びてきた。日経Automotive
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仮想走行試験でどんどん賢く
完全自動運転車の頭脳を任されようとしている人工知能(AI)。ディープラーニングという強力な学習手法を得て、開発が一気に加速している。先行するGoogle社は既に成果を出し始めている。自動運転を司るAIの開発課題や、性能を左右する要素も見えてきた。日経Automotive
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多層の防御で安全に「つなげる」
2015年夏の“Jeepハック事件”が、クルマの乗っ取りの恐怖を伝えたのは記憶に新しい。完全自動運転車では電気信号が「走る」「曲がる」「止まる」を操る。だから、これまでとは段違いのセキュリティー能力が求められるのは間違いない。「つながる」ことを利点にできるかが重要なポイントになる。日経Automotive