2008年設立のベンチャー、アクセルスペース(東京都千代田区)が宇宙産業分野を果敢に攻めている。人工衛星「WNISAT-1」や「ほどよし1号機」の開発・製作を経た同社の次なる一手は、「地球観測サービス」だ。自社の衛星群で撮影した画像の観測結果を農業など様々な分野のエンドユーザーに供給する。同社創業者で、代表取締役を務める中村友哉氏に新事業の展望や自社の強みを語ってもらった。

(写真:加藤 康)
(写真:加藤 康)

 我々が起業した目標は、超小型衛星の利用を爆発的に広げることですが、(顧客の要望に応じた衛星を製作する)これまでの事業を続けるだけでは実現できません。顧客が自社の衛星を持つリスクはやっぱりまだ大きいんです。我々が手掛ける民生部品を用いた超小型衛星で、(製造コストの)桁が2つ下がったとはいえ数億円ですから。そこで、我々自身が衛星を持って、そのデータをユーザー企業に使ってもらう形を考えました。2015年12月に発表した「AxelGlobe」計画です。この計画では、世界中の人間が経済活動を行っているエリアを、50基の衛星で毎日1回撮影します。