生き残り戦略のポイント
  • 静かなクルマの実現でEV市場を攻める
  • 防振ゴムなど得意分野の技術を磨く
  • 部品からシステムへ製品領域を広げる
企業データ
  • 事業内容:自動車用部品、一般産業用部品
  • 売上高:4226億円(連結、2017年3月期)3624億円(自動車関連事業、同上)
  • 営業利益:136億円(連結、2017年3月期)
  • 従業員数:2万4453名(連結、2017年3月末)

 「電動車両は静粛性、自動運転車は運転者の状態監視が求められる。どちらも、エンジン車で培った防振ゴムの技術を応用できるため、追い風となる」─。住友理工社長の松井徹氏は、このように強調する(図1)。

図1 住友理工社長の松井徹氏
図1 住友理工社長の松井徹氏
「電動車両や自動運転車の普及は追い風になる。影響を受けるのは、燃料用ホースなど一部にとどまる」と言う。
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 松井氏が言う電動車両とは、電気自動車(EV)を指す。EVになると燃料供給用ホースの需要は無くなるが、エンジンマウントやサスペンションブッシュなどに使う防振ゴムは、EVのモーターやボディー、サスペンションの振動を抑えるためにも使えるという。

 EVはエンジン搭載車に比べてモーターからの振動が少なくなるが、その分だけ路面などモーター以外から発生する振動を防ぐ対策がより厳しく求められる。そのため現在のガソリン車よりも、防振ゴムを使う部位が増える可能性がある。