生き残り戦略のポイント
  • 取引先の要求を超える提案を目指す
  • 同業他社との連携で効率向上
  • 異業種との協業・技術交流から学ぶ
企業データ
  • 事業内容:自動車用シートの開発・製造
  • 売上高:2825億円(連結、2017年3月期)
  • 営業利益:88億円(同上)
  • 従業員数:1万986人(連結、2017年3月末)

 「(自動車メーカー)系列の部品メーカーと同じものを作っていては、独立系の部品メーカーは対抗できない」。こう打ち明けるのが、タチエス取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏だ(図1)。同社は、自動車用シートを設計・製造する独立系の部品メーカー。自動車メーカーと一体で開発を進めることが多い系列部品メーカーと違い、自動車メーカーから開発のテーマや目標値が示されることは少ない。開発のテーマや目標値の選定は通常、あくまでも自社の判断。それゆえに系列の部品メーカーと同じものを開発するにしても「無駄な時間や資金がたくさんかかる」(同氏)という。それが冒頭の、“系列のメーカーと同じものを作っていては対抗できない”理由だ。

図1 タチエス取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏
図1 タチエス取締役モノづくり本部長の島崎満雄氏
独立系の部品メーカーだからこそ「自動車メーカーが求めているものよりも上をいく提案が重要」と強調する。
[画像のクリックで拡大表示]