- 部品単体からモジュール主体へ転換
- 系列を超えた技術交流で強みを磨く
- 設計とテストの部門を融合し知見生かす
- 事業内容:自動車の足回り部品の製造・販売
- 売上高:1979億円(連結、2017年3月期)
- 営業利益:80億円(同上)
- 従業員数:6632人(連結、2017年3月末)
単品部品を製造しているだけでは、生き残りは難しい。そうした考えから、設計、さらには部品単体ではなくモジュールとしての設計や組み立てまでを一貫して手掛ける事業形態を目指すのが、エフテックである。同社は、サブフレームやサスペンションのロアアームといった自動車の足回りの部品メーカー。長期間にわたりホンダ系の1次サプライヤーとして事業を展開してきた。
そんな同社が冒頭のような事業形態を強く意識するのは、「100年に一度」と言われる技術進化の激しい変革期において、自動車メーカーの図面通りに部品を造っているだけではいずれは「コスト競争に陥る」(同社取締役開発本部長の古澤好記氏)との危機感があるからだ(図1)。そこから抜け出すには付加価値の向上が重要であり、設計業務の自前化や対象品目のモジュール化が付加価値向上に寄与すると同社は考えている。
例えば、対象品目を部品単体からモジュールに広げれば、部品の視点だけではなくモジュールの視点からも軽量化や性能向上を図れる。また、専門メーカーが自動車メーカーの機能・性能要求を理解して設計を行うことで、専門メーカーとしての知見をより生かしやすくなる上、自動車メーカーとの役割分担を通じた自動車メーカーを含めた全体的な開発業務の効率化を期待できる。さらに、そうした業務を通じて専門メーカーとしての提案力も高められる。